36 Views on Mount Fuji 「富嶽三十六景」
2015.6.1(月) ~6.13(土)
Harry DUKKER
36 Views on Mount Fuji
June 1-13, 2015
13:00~19:00
会期中は6月9日(火)のみ休廊
Closed on 9 June.
その他の休廊日はこちらをご参照ください:休廊日等のご案内
この展覧会はオランダ王国大使館の助成を受けています
■2015年6月1日(月)18時より オープニングパーティ
■2015年6月7日(日)15時より 作家によるトークイベント
(無料、予約可)
デュッカー氏は1950年オランダに生まれ、現在はオランダのユトレヒトを拠点に活動し、個展や写真集等で多くの作品を発表している写真家です。今回の「36 Views on Mount Fuji <富嶽三十六景>」は葛飾北斎(1760–1849)の「冨嶽三十六景」にインスパイアされたデュッカー氏が、日本で撮影した作品です。
葛飾北斎の「冨嶽三十六景」は19世紀に制作された48点の木版画で、富士山をテーマとした作品の中でも最も有名なもののひとつです。また、北斎を始めとする江戸時代の浮世絵は、デュッカー氏と同じくオランダ出身の画家ゴッホなどの印象派の作家たちにも大きな影響を与えたことで知られています。
デュッカー氏は2010年にオランダのライデンにあるシーボルトハウスで北斎の「富嶽三十六景」と出会い、大きなインスピレーションを得ました。その時のことを彼はこのように語っています。
「・・・北斎の木版画にわたしは自分の「時を捉える」街角の写真、また、空間とそこにある霊気を求めるわたしの風景写真との類似を見た。さらに、北斎がしばしばやって見せる、広大な風景とさまざまな日常の出来事とのコンビネーションに刺激され、わたしは自分の「富嶽三十六景」を作ることにした。
わたしの写真には、景色、市街地、電線、線路、広告、さまざまな状況の人々、そして、もちろん富士がある。・・・」(引用終了)
北斎が19世紀の江戸周辺の人々の営みをその作品の中に取り込んだように、デュッカー氏もまた21世紀、現代日本の富士山周辺の人々の営みを彼の作品の中に写し込んでいます。北斎の浮世絵は伝統的な日本画の特徴を持ち、シンプルで写実的ではなく、影などの不必要だと思われるものは省略されています。一方でデュッカー氏の作品は写真を使っていることから当然写実的で、撮影されたものは省略されることなくすべて画面の中にとどまっています。
このように一見対照的にも思える両者の作品ですが、どちらもその時代の最新技術を使い、その時代を多様な面から映し出した「コンテンポラリー」な作品です。
デュッカー氏の日本での初めての個展となる今回の展示では約15点の作品を展示します。